[ベクトル入門講義]

§1 ベクトルの概念導入

・有向線分としてのベクトル
(線型写像の要素としてのベクトル)
(テンソル)

・ベクトルの和・減法
幾何的な定義(初等的定義)
・交換法則
・結合法則

<検討問題> 
京都大学 (大昔の結合法則に関する過去問)

・ベクトルの平行
今回は教科書的な定義で
あまり深化せず.

・1次独立の定義
このご利益は,また後で出てくる.
今回は初学者なので,n次元については
触れず.R×R 空間のみ.

[演習題]
<正6角形内のベクトル>
教科書によくある問題

<正5角形内のベクトル>
対角線の長さを求める.
最近の共通テストかセンター試験の問題に
あったけど,ありふれた有名問題

中学校範囲の復習として,
相似の利用,ptolemyの定理の利用

三角比,三角関数の復習として
cosπ/5 ,3倍角の関係式の利用などを復習


§2  計量としての内積

最初に物理の仕事分野の復習
(今回は運動方程式の空間積分して,
運動エネルギーと仕事の関係はさらっと)

寧ろ,正射影としての内積を強調していく方向性で.
(この時,初等幾何的な円に内接する
四角形の性質もちょっと利用)

以上,1回目の授業
ーーーーーーー
(続き)

[検討問題]
検定教科書の内積の演習問題から
正射影と方冪の定理

§ 3 位置ベクトルについて

「位置ベクトル」の定義
点とベクトルを同一視する発想
とその意義について

京都大学の大昔の問題


§ 4 共線条件に関する話題

・線分上の点の表し方
・3点の共線条件をベクトルの平行条件
を使い表す考え方.

・共線条件を用いて,
線分の交点をベクトル表示する

よくある有名な問題を
じっくり解説していきました.

今回はベクトルの考え方の練習なので,
Menelaos,Ceveの定理を使った解法には
触れていません.


(注)として,
線分上の内分点の関係式を紹介
ですが,
寧ろ,
直線のベクトル表示の方や
食塩水の問題等
モーメントとの関係
を示唆.


・1次独立なベクトルで表す
R^2上の点は一意的である

ここで,使う証明方法で
背理法が怪しかったので,

論理の復習
「p→q 」↔︎ 「not p v p」
などを
真理表を用いて同値であることを確認.

(問) 背理法とは?
昔のどこかの大学の問題
を追加.

今回は計量を含んだ幾何的な
問題は触れず.

次回は
重心座標などから

第2回目はここまで.


§ 5 重心座標系

よくある問題
三角形ABCにおいて

a  vector{PA} +b vector{PB} + c vector {PC} = vector{0}

が成立するときの点Pの位置は?
三角形PBC:三角形PCA;三角形PAB
の面積比は?


a,b,c >0のときは重りが各頂点についていると考えて・・・
a<0 ,b>0 ,c>0のときは,頂点Aにマイナスの重り,
つまり風船がついていると考えると,物理的な
重心の位置が明確になるのではないでしょうか.
そんなことを,説明しながら進めていきました.

分割された三角形の面積比は,
初等幾何的に考えれ一発でしょという
ごくごく当たり前の事実を指摘しました.
今回は入門講座なので,このような基本的な
当たり前の知識を紹介しています.

尚,巷に
よくあるAを始点として
式を各直し,分点の関係式を利用して・・・
もくだらないですが,軽く説明しました.

§ 6 斜交座標系について

1次独立な基底ベクトルを用いて
新たな座標系を考えることについて
説明していきました.

座標系の変換(1次変換)については
今回は紹介程度です.
この1次変換において比は保存する
ことの証明は線形性を利用すれば自明なことなのですが,
今回は入門講座なので,これも紹介程度です.

以上,第3回の授業内容でした.


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§ 7 R^3 の空間でのベクトル


<3次元空間での一次独立>

・2つのベクトルに垂直なベクトル
(いわゆる外積についてですが,
今回は前面には出さず)
vect.8.21.1
vect.8.21.2



・正射影ベクトル(2次元での)を
ちょいと紹介して,
点と直線の式の導出を復習しながら
正射影ベクトルを用いた証明を紹介


[演習]
・四面体の重心
・空間における
1次独立性を利用した解法

・法線ベクトルを用いた
平面の方程式を紹介

・点と平面の距離を
正射影ベクトルを用いた証明

空間における直線の式を作り
平面との交点を求めて(具体的には求めない)
2点間の距離をParameterで表記して
求める方法を紹介
vect.8.22.1
vect.8.22.2

以上4回目の内容でした


つづく.