大学受験部 春期講習
基礎解析講義(数学1,A,2範囲)」 

Chapter1 
「授業テーマ」
恒等式,絶対不等式
点と直線の距離

<授業内容>
「点と直線の距離の関係式」に関する内容を 
座標平面上の平行四辺形の面積と絡めて,
丁寧に説明していきます.
いわゆる「点と直線の距離の関係式」を初学者に対して,
丁寧に説明することはあまり行われていない様子なので,
1コマ以上を使い手を動かしながら,
進めていきました.この作業の中で
様々な芳醇な概念が得られることを実体験してもらいました.
後半は,教科書に載っている恒等式の幾何的な背景を
中心に説明していった次第です,具体的には

教科書の章末問題にある「座標平面上の3点のなす三角形の面積」
を求める問題から,
 Lagrenge恒等式, Caucy-Schwarzの不等式(沸騰式ではない)を説明.
この流れで,3次元のLagrange恒等式を背景とした
空間上の平行四辺形の面積.

そして,この平行四辺形をxy平面,yz平面,zx平面に
正射影した図形との関係を説明.

このように教科書から出発して,
その背景に流れる数理的諸像を眺めていく
授業構成になっています.



Chapter 2 
今回は「軌跡」の分野ですが,
こちらも教科書の内容を丁寧に進めています.
この中で,写像の考え方を学んでいきます.

加えて巷の問題集や参考書では,いわゆる「解の配置」問題で
,値域の存在条件に帰着する考え方や,文字を固定して考えていくもの
いわば. 受験用語では「逆手流」「ファクシミリの原理」
という考え方ですを学習していきます



Chapter 3
今回はいわゆる「逆手流(逆写像法)」の考え方が中心です.
値域の存在条件に帰着する考え方を
教科書の様々な例を紹介しながら,
進めていきました.
その中で典型的な問題を紹介していきました.
受験上はとても大事な考え方です.
加えて,
大学への数学「1対1対応 数学2」の中では,
条件付き2変数関数で,
対称性のある式の処理の仕方
を丁寧に説明していきました.

いわゆる(x,y)→(α,β)
x=α+β,y=αβ の変換で,
xy平面と,αβ平面での点の移り変わりを
丁寧に説明した次第です.


Chapter4

2次関数の接線の式を,
2次方程式が重解をもつ条件と言い換え,
整式,因数定理,Taylor展開の説明を加えて導出.

また,2次関数のy切片における,接線の式
と,並行移動などを復習して,
包絡線の解法を説明.

と同時に
「逆手流(逆写像法)」
と「ファクシミリの原理」
などの基本手法を確認していきました.

授業では,特に述語論理による論理的な記述を指摘しながら
進めていった次第です.

この辺は長岡亮介先生のかつての夏期講座
「数学的数学考究ー
または記号論理の主題による数学的変奏曲」

に依ることが多いです.
この講座の受講で,今までの数学感が変貌し,
広大な数理世界との邂逅が
青年期の思い出の一つです.